|
アメリカ・ワイオミング州にある政府登録第1号の国立公園『イエロー・ストーン国立公園』の名前を冠したバーボン【イエローストーン】 このバーボンは1865年、コールド・スプリング蒸留所を建設した《ジョセフ・バーナード・ダント》氏によって、製造されました。 《ジョセフ・バーナード・ダント》氏は、【J.W.ダント】の創始者であり、サワーマッシュ方式の発明者でもある《ジョセフ・ワシントン・ダント》氏の息子。父親から蒸留技術の知識を教え込まれていた《ジョセフ・バーナード・ダント》氏は、労せず美味しいバーボン造りを成功させました。 そこで問題になったのは、ブランド名。 しばらく名前を付けずにいたバーボンでしたが、1872年、政府登録第1号に指定された国立公園『イエローストーン国立公園』を訪れた当時のセールスマンが、その国立公園の名前をブランド名にする事を提案。会議の結果、公園から許可をもらい、【イエローストーン】というブランド名で発売を開始しました。 そのネーミングは大成功で、特に西部を中心に全米に知れ渡る事となりました。 1944年に蒸留所は『グレンモア社』に買収されますが、1960年代には『グレンモア社』の主力バーボンとして、時代を代表する最も売れたバーボンのひとつにまでなりました。 1991年、『ユナイテッド・ディスティラー社』系列となり、蒸留所は閉鎖。現在は『デイヴィッド・シャーマン社』が販売権を持ち、『グレンモア蒸留所』の原酒を使い、瓶詰め・販売されています。 写真上は【イエローストーン】のスタンダード品で、アルコール度数は86プルーフ(43度)。 フルーティーな甘味が感じられる香りが特徴で、軽い喉越しの非常に飲みやすいバーボンです。 写真下は【イエローストーン】のプレミアム品【イエローストーン 7年】 以前は『スイート・マッシュ方式』で製造されていましたが、手間がかかるため、現在は『サワー・マッシュ方式』で製造されています。 そのため、残念な事に独特の個性は失われ、アルコール度数91プルーフ(45.5度)ながら、非常にスマートな飲み口のバーボンとなっています。 ともに甘い香りを楽しみつつ、ロックで楽しみたいバーボンです。 |