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『ハーシュ氏秘蔵品』の意味を持つ酒名がついたバーボンウイスキー【A.H.ハーシュ リザーヴ 16年】 『ハーシュ氏』とは、禁酒法解禁後の1933年にドイツからアメリカに移住してきた《アドルフ・ハーシュ》氏の事。 《ハーシュ》氏は、おじさんの所有する『バーンハイム・ディスティリング社』に勤務し、バーボンについてを学びました。 そして《ハーシュ》氏が70歳になった1974年、ペンシルバニア州にあった『ミクターズ社』から単式蒸留器(ポット・スティル)で蒸留した原酒を購入。その原酒は『ライ麦』の含有量の多い、独特のスパイシーなものでしたが、それを16年間樽熟成させ、より味わいの深いバーボンにと仕上げました。 ちなみに、アメリカ建国初期に蒸留酒を造っていたのは、ペンシルバニアに移住した主にアイルランド人たちで、当時のペンシルバニアには5,000人もの蒸留業者がおり、1783年のイギリスとの独立戦争後までは盛んに製造されていた、蒸留酒生産の中心地でした。 ところが独立戦争で多大な出費をしたアメリカ政府は、1791年に『蒸留酒類に対する物品税』を法制化。1794年、それに反発する農民たちや蒸留業者により、ペンシルバニア州を中心に大暴動が勃発しました(『ウイスキー反乱事件』)。 それを機に、納税を嫌うかなりの蒸留業者たちがペンシルバニア州を離れ、当時は国外であった西部のケンタッキー州へと移住。そこで現在のバーボンウイスキーの製造が始まりました。 その『ウイスキー反乱事件』後もペンシルバニア州に残り、蒸留酒造りを続けていたのが『ミクターズ社』 『ミクターズ社』の創業者である『ミクター家』は、スイスからペンシルバニア州に移住してきて、1753年から蒸留酒造りを行っていましたが、残念なことに1988年に操業を停止、閉鎖してしまいました。 【A.H.ハーシュリザーヴ 16年】は、現在『ハーシュ・ディスティラリーズ社』で製造されており、効率の良い『連続式蒸留器』で蒸留されるバーボンが主流の中、今も『単式蒸留器(ポット・スティル)』で蒸留されています。 アルコール度数は91.6プルーフ(45.8度)。 瓶詰めはローレンスバーグで行われ、商品化されています。 芳醇で味わい深い【A.H.ハーシュ リザーヴ 16年】は、至高の味。 ぜひともストレートで味わっていただきたいバーボンウイスキーですね。 |